こんばんは
今回は薬丸岳さんの刑事夏目シリーズ第3弾「刑事の約束」を読んだ感想を投稿してみようと思います。
実は私、刑事夏目シリーズ一番最初に読んだのがこの第3弾「刑事の約束」でした。
第1弾、第2弾読んでいませんでしたが、結構楽しめたように感じます。
しかし、夏目がどんな人なのか知らないとこの小説の冒頭を読んだだけでは夏目を誤解してしまうかもしれません(笑)。
さて今回私がこの小説を読んで感じたことは、人は人と関わることで更生できるのだと感じさせられました。
このシリーズ読んでいる方ならご存知であると思いますが、夏目は過去、通り魔に襲われ、10年間意識を取り戻さず、現在も植物状態の娘がいます。
そして、娘を襲った犯人を夏目自身が捜査で見つけ出し、時効で罪にかけることができませんでした。
それがあってなのかわかりませんが、最初は事件の捜査にはあまり積極的には加わらず、ちょっとイメージとは違う抜け殻のような感じでした。
しかし、中盤くらいまで行くといつもの夏目に戻っていくような気がします。
常に真実を追求し、事件の本質を見抜いていく夏目に。
そして、なんとこの物語の終盤、娘の絵美が目を覚まします。
夏目は信じ続けてきたことが成就し、嬉しい反面、これから苦労していく絵美を想い複雑な心境に、
そんな時、第1弾「刑事のまなざし」のオムライスで母親に殺されかけた少年が人を殺します。
殺そうとした母親は自分の罪に気づき、息子に賢明に生きてほしいと願いますが、
少年は、母親が自分を殺そうとしたことを許すことができず、母親を苦しめるために今後の人生ずっと人を殺し続けると母親に宣言します。
夏目は、母親に今後彼の更生のためにずっと見守り続けることを約束しますが、
彼は、なぜそうなってしまったのでしょうか。
私は、彼はずっと一人で生きてしまったからだと思いました。
夏目は娘を襲われたとき、恐らくすごい悲しみ苛まれ気をおかしくしてしまいそうな想いをしているはずですが、踏みとどまっています。
それは、夏目を支える妻の存在があったからこそであると、
夏目はそのことを誰よりも身をもって理解していました。
だから夏目は彼の更生を信じ、これからも見守っていくのでしょう。
人を闇に堕とすのも、人であり、踏みとどまらせるのもまた人。
そして、どんな状況であれ、人はそれを選ぶことができる。
難しいことかもしれませんが、結構真実だと思ってます。
第4弾も気が向けば書いていこうと思います。
下記はAmazonのリンクです。
https://amzn.to/3CSIerK
和泉。
