こんばんは。
高野和明さんの「13階段」素晴らしい作品でしたので感想を投稿していこうと思います。
登場人物は刑務官南郷正二と傷害致死の罪に問われ保護監査となった三上純一が冤罪で死刑になろうとしている死刑囚の無実を晴らす話です。
物語そのものも、もちろん素晴らしかったのですが、自分としては刑罰についてすごい考えさせられ理解を深められたと感じたのでそちらについて書いていこうと思います。
まず刑罰には、2つの考え方があるということ。
1つは人を裁く、報復や罰を与えるという考え方、応報刑思想。
もう1つは人の更生を信じ、教育することで社会復帰させる考え方、目的刑思想。
日本では、目的刑思想を基に刑法が作られているのですが、なぜか死刑があります。
なぜなのか、非常に疑問ではありましたが、この本を読んでそこらへんについても知識を深められたと感じました。
まず、罪を犯すということは、復讐のリスクを負うことでもあります。
その罪が重ければ重いほどその感情は強まっていくでしょう。
人を殺すということはそれだけリスクの高い行動。
社会に送り出しても、復讐に合い殺される可能性のほうが高いのかもしれません。
しかし、そんなことが起きれば復讐が復讐を呼び、連鎖して次から次へ人が殺されていく。。。そんな状況に陥るかもしれません。
それを止めるのが、無関係の第3者が行う死刑なのです。
死刑によってその人間が処されれば、それで復讐の連鎖を止めることができるのです。
自分にはその考えがなかったので、はっとさせられました。
そして、復讐を目的に人を殺すと人は反省しない。
それすなわち人が更生することがないともとれるのかなと思いました。
半ば当然だと思ってしまうのです。
この小説を読んで死刑の必要性に関しては、必要であるように感じました。
しかし、この小説の物語の進行でもそうであるように同時に無罪の人が死刑に処されることもあるのだと考えさせられます。
裁判、これがどれほど正しく、そして厳正に行われなければならないのか。
そんなことを考えさせられました。
刑罰について、知識を深めたい人におすすめの一冊です。
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和泉。